口の中というのは、人間の急所

口の中というのは、人間の急所でもあります。口の中には、生きていくために必要な歯、舌、そして奥には喉という、非常に大事な器官が集まっています。そこに、金属の切削器械が入ると、「命を落とす危険がある」と本能的に感じるため、歯医者さんは、子供だけでなく、大人でも抵抗を感じるほどの怖い場所なのです。

他にも、痛みへの恐怖もあります。最近では、無痛治療をうたう歯医者さんも増えていますが、昔の抜歯方法は、麻酔を用いず、ドアノブと抜く歯とをタコ糸で結び、ドアを蹴破り、その反動にまかせて歯を抜いたそうです。それはもう、地獄のような痛みだったでしょうね。今では抜歯の際は、痛みや傷がもっとも少ないペンチが使われ、抜歯治療も随分と改良されています。私も麻酔が効きにくい体質ですが、そういう昔の無麻酔治療の話に比べれば天国、と自分に言い聞かせて、痛みに耐えるようにしています。

ほかに、歯医者さんの恐怖といえば、吐き気でしょう。あの「オエッ」となる感覚が嫌だから、歯医者に行かない、という人も大勢います。神経質な人ほど吐き気が起きやすいと言われていますが、実際はそういうわけではありません。あの「オエッ」となる原因は、口の中のとあるポイントに、器具や指が触れることなのです。

口の中の吐き気をもよおすポイントは、3箇所あります。一つ目は、ご存じのとおり、舌を押し下げること。喉の奥が開くため、吐き気が起こります。二つめ、三つめは、上顎の左右の粘膜部分。ここに何か物が触れると、自然に吐き気が起こるようになっています。歯型を取るときの、あのピンク色の練り状のもの。それを乗せている金属台は、型取りの際にこの3つのポイントに触れやすく、吐き気が起きやすくなります。治療や型取りの際は、舌を器具から避けるようにすると、吐き気が起こりにくくなります。ぜひお試しを。

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